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Pan Records

戦前ブルース音源研究所

Pre War Blues Laboratories

Lonnie Johnson 検証                                                      戻る


 
 
Lonnie Johnson 戦前戦後のブルース史上もっとも長く活躍したブルースマンの一人です。

彼はピアノ、ギター、フィドル、ボーカルと多才に楽器を操り演奏をし、
多くの曲を録音しリリースされました。

また ジャズギターの祖とも言われるエディ・ラングとの共演も
歴史的な音楽財産と言えると思います。

1920年中期から1930年初期 

6年のブランクのあと1937年・・・ 

そして1940年以降とキャリアは続きます。


大きな謎は、1940年以降のロニーのギター演奏には
1920年30年代の超絶ギターは演奏されることは無かった。。。

まるで別人の様に・・・・・

別人? そんな訳ははない、こんなに長く活躍をしているのだから入れ替わったらわかる。

しかし あのギターは別人の演奏の様に感じる。。。

その謎に迫りたいと思います。





 

検証を参考に紹介いたします。
 
ロニー・ジョンソンは 1920年以前にはニューオリンズで父親率いるストリングスバンドで
演奏しておりヴァイオリンやギター、マンドリン、バンジョー、ベース、ピアノ等の
楽器を一通りこなす腕前でした。



1925年に初録音をし自身の名義による録音も増えて行きました。

そんな彼が残した1920年代の演奏を聴く限りでも、そのギターの演奏方法フレーズは
一人で弾き語りで覚えたものでないことが判ります。


まるで私達の世代のギターリストの様なリフを弾くのです。
それはバンドでのギターのソロパートの感覚に近いです。


私が一番好きな曲は「Playing With The Strings 」1928年2月21日メンフィス州テネシーでの録音。

この曲は Oheh Record 8558 より、当時販売されました。


その素晴らしい演奏は LPの時代 CDの時代となった今でも世界中に紹介され
販売され続けており聴いて愉しむことが出来ます。


Youtubeで Lonnie Johnson の Playing With The Stringsを検索してみて下さい。



その曲を演奏しているミュージシャンはどこにもいません。


これだけギター自慢の演奏家やブルースファンが多いのにです

演奏出来ない理由があるのです・・


誰もが憧れる名演は ハヤマワシ なのです音程では約1音です。



音楽的な解説になってしまいますが ハヤマワシ と言う以上は
納得出来る証明をしないといけません。

曲のキーは E です。


イントロは ほぼ Eの音から始まりますが、
10秒の辺りで1/6半音(半音100セントの6分の1音)高くなります、
当然再生速度速くなります。

20秒の辺りでは 1/3半音まで高くなります・・

1分の辺りでは今度は10セントほど低くなります・・

そこからまた更にピッチを上げて行き最後は1/2半音以上高くなります。

同じようにギターを弾こうとしても 音程が曲中に狂うために音が拾えません。

何が原因かと言いますと 録音したときのターンテーブルの回転速度
3分の間に徐徐に遅くなって行く事態が発生していたことになります。


ゼンマイが切れた~とは 正にこの事です。

この演奏は ドロップDチューニングという調弦ですが、
このチューニングの特徴はDのキーの曲を演奏する時に6弦 4弦をルートのDとし
ベース音を開放弦で出すことが出来る奏法上のメリットがあります。



しかしロニーの演奏は E のキーですから 1音高い演奏となってます、
何故1音高くした演奏にする理由があったのでしょうか?


全弦を1音高く調弦することで運指は同じですが、1920年代ミディアムゲージ鉄弦
1920年代の弦高が高めのセッティングのギターでは
あの様なチョーキング早い運指での演奏は困難を極めます。


また歌が入る楽曲であれば歌手の得意なキーに合わせてキーの選択もありましょうが、
インストの楽曲であるこの曲はキーを上げることでのメリットは逆に減るでしょう。





 

ギター弦のテンションを上げずに 同じ音程に調弦するためにはカポタスト
という道具を2フレットに装着する方法もあります。


しかし、1920年代は14フレットジョイントのギターは出現しておらず12フレットジョイントです。


(ギターのネックとボディが接合しているポイントのことです)オクターブの音を
演奏するには開放の0から12フレット高い部分を弾かなくてはいけません。


12ジョイントのギターに2カポでこの演奏は困難ですし、そもそも14フレット以上の音程は
ギターによっては音程が狂ってしまう構造となっておりました。

(ブリッジはフラットでありオクターブピッチは合いませんので徐々に音程は狂います)


上記の様な奏法上の条件も考慮すると E のキーでは演奏が困難な条件が増えるだけです。



そして、回転のワウフラッターの事実からすると 演奏時間が更に30秒、
1分と長かったら回転数は更に落ちてしまい、結果78rpmで再生したならば
音程は半音も高くなり速度は更に高速になったことでしょう。




その他にも この演奏の10ヶ月前に録音された I DONE TOLD YOUという演奏は
同じフレーズの演奏であり奏法上は同じ運指でありますが、こちらは 半音近く低い Eb での演奏となっております。


兄弟のジェイムス・ジョンソンとのギター2本でのセッションです。

1フレットにカポ または 全体を2人とも半音高いチューニングをしなくてはなりません。


ありえません! こちらも半音のハヤマワシだと推測されます。


これらの事から 実際の演奏のキーは両曲とも D の演奏であったのではないででしょうか?


よってPlaying With The Stringsは 1音の高いハヤマワシ演奏を80年間聴いて来たことになります。


私の聴き取りでは 
約58セントほど高くなってゆきますので回転に変換すると2.65rpm程の誤差です。


もしも Eの演奏であったとしても78回転で回り始めていた
テーブルは録音中に75.35回転まで減速しております。



ロニーの得意なドロップDチューニングでDのカポなしでの演奏であったと仮定しますと、
回転は更に初めから9回転ほど遅く回っておりました。


私の計算では 68.9rpmで回り始めて66.26rpmに減速しながらの録音であったことになります。

1920年代の演奏に感動した私は ロニーの1960年代の演奏との印象が
あまりに違うので別人だと思っていました。


誰かがロニー・ジョンソンに成りすましているのだと勘ぐっておりました。

1920年代の演奏がハヤマワシであり、その演奏を適正と思われる速度で再生した時に、
見事なまでのタイム感、ブルースが姿を見せるのです。

簡易修正音源ですが再生速度を68rpmで再生し、演奏キーは D となっております。

 ではお楽しみ下さい。




 
*(動画の最後に少しだけ78rpmで再生したものを入れていますが、テロップのキー表示がDとなっていますが、Eの間違いです。)



この録音の1週間前にOkehは同じくここメンフィスで一人のブルースマンをレコーディングしました。

ミシシッピー・ジョン・ハートです。

おそらく同じ録音機材だったと思われます。
事実、同じ様な回転誤差が発生しています。

以前アップしたものですが、こちらも合わせてお聴き下さい。

 




更なる検証の一例として、録音日時や場所、そして曲中の音程測定の結果をご紹介します。

表記の数値は半音100セントを6.0のピッチコントロールで合わせた簡易的な数値です、
0.1は1.666セントとなります。

(-マイナス表示は 一番近いキーに回転をマイナス(遅く)して合うということです)

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1927年 8月11日(火) ニューヨークでの録音
「 Mean Old Bedbug Blues 」
曲のキーは Ebがもっとも近い。 実際には4分の1半音高いです。

数字で表してみます、半音100セントを6.0のピッチコントロール数値に変換してあります。
 
イントロから -1.5、 15秒-1.0、  30秒 -0.8 、 45秒 -0.5 、1分 -1.7、2分 -1.8
 
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1927年 4月25日 モンタナ州 セントルイスでの録音  
「I Done Told You」 当時録音はしましたがレコード(Okeh)としては 販売されませんでした。

キーは 同じくEbですが これまた1/4半音高い。
 
イントロ -1.8、15秒 -1.8、1分-2.0、 1分30秒 -2.4、 2分 -2.0、 2分50秒 -2.1
 
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1928年 11月17日(土) ニューヨークでの録音
「Have To Change Keys - To Play These Blues キーは D です。

この曲は ジャズファンならご存知であろう Eddie Langとの見事なツインギター演奏です。
 
ロニーは 12弦のギターを弾いております。
 
イントロ -1.1、 50秒 -0.9、1分50秒 ソロを交代します、 2分 -1.1、2分22秒ソロ交代 -0.9
 
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1929年 5月7日(火) ニューヨークでの録音
「Guitar Blues」 同じくEddie Langとの演奏 キーはDですが 今度は逆に 約1/4半音低いです。

平均して +1.8程度です。
 
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もう一曲 1930年 1月7日(火) ニューヨークでの録音
「She's Making Whoopee In Hell Tonight」

キーはどちらかと言うと Ebに寄ってます(1/2半音が3.0ですので)が Dに合わせてマイナス表記で考えます。
 
イントロ -3.4、 30秒 -3.7、 1分 -3.9、 1分30秒 -4.0、 3分 -3.8、
 
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この音程は すべて私の耳で聴き取った音程であり、
正確とは言えないと思いますのであくまで 参考になればと思います。
さて このように統計を取ってゆくと見えてくることがいくつかございます。


既にお気付きの方もいると思いますが、再生が78rpmだと信じれば
78rpmで録音されたと思われる曲は上記例の中にはございませんでした。
 
音程の誤差は 半音の4分の1程度であるので聴いていてもよほどの
絶対音感のある音楽専門家でなければわからないかも知れません。

しかし、基準の音から高い再生曲もあれば 逆に低い再生曲もあります。
さらには 得意のDのキーの演奏もあれば、それよりも半音高い音程の曲もあります。


例えば 1/2半音ずれている曲は 高いキーか低いキーか? 
どちらが本当の演奏でしょうか?

この様に統計を取ってゆくとロニーの演奏にはEbに近いキーが多いです。
演奏をするにはドロップDチューニングに対して全部の弦を半音高くチューニングするか、
またはカポタストを1フレットに装着しなくてはなりません。



ロニージョンソンという人の写真は複数枚存在しております、60年代の映像もあります。
しかしカポタストを使用した写真はございません。


インストの曲をわざわざ演奏しにくいキーに変えて 録音に臨む必要があったのでしょうか?

私は これらのキーは D の演奏であったのではないかと想像します。


もしくは更に半音のローチューンの可能性だってあります。

すると上記の参考曲の中には更に半音の回転誤差があったようにも感じられるのです。

これらの数値を良く覚えておいて下さい。

 キーより僅か1/4半音程度高い曲、またはその逆にキーより僅か1/4半音程度低い曲、
そして1/2半音程度の誤差の曲・・・・ 
さてさて 皆さんはどのように思いますか? 


しかし、私のロニー・ジョンソンへの疑問?は払拭できません。

本当に私達が知っているロニー・ジョンソンがあの超絶ギターインストを演奏したのでしょうか? 

あれほどのギターの腕前であったロニーは何故エレキギターの時代に
ジャズギターの演奏をしなかったのでしょう?


私達が知っているあの男にドロップDの超絶インストギターは弾けないと思うなぁ・・・

別人のように思えてならい。 


何かカラクリがありそうだ。





 

 
いよいよ 怪しい人物の検証に入ります。 
さてこの演奏をしたロニー・ジョンソンと1940年代以後のロニー・ジョンソンに演奏技術的な共通はあるのか?
 

 
  
これは、戦前ブルース音源研究所の所蔵SPからの修正音源です。

回転数は74回転です。キーはDの演奏となります。

オーケー社主催のボーカル・コンテストで優勝したご褒美として録音されました。

正にスター誕生です。

このFalling Rain Bluesはロニーのフィドルが大きくフューチャーされています。

ロニーはギターの達人としての評価がもっぱらですが、この時期の録音の多くはギターよりもフィドルとピアノの演奏です。

1925年11月。電気録音が始まった年です。


この録音はラッパ式でしょうか、マイクロフォンでしょうか?
オーケーにしては、あまり音が良くありません。
色々興味深いレコードです。


このフィドルの演奏キーは、特徴的な3弦(D弦)の開放を含む
4連のプリング・オフを使ったフレーズからも明らかです。


もちろん­ピアノの伴奏が付いていますから、
「耳を頼りのいい加減なチューニング」ではありません(笑)

確実に、レギュラーチューニング­、キーはDの演奏に間違いありません 【山本】

............................................................................................................................
このボーカルの迫力、初録音に挑んだロニーの気迫が伝わってきます。
このフィドルもロニーの演奏でしょう。【菊地】






 
まだまだ駆け出しのブルースマンだった頃のロバート・ジョンソンの憧れた最高のスターが
このロニー・ジョンソンでした。


この頃、ロバートはデルタの師匠達からの脱却を図って、日々ギターの練習に励んでいたのでしょう。

ライフ・セイバー・ブルースは後にロバートによって、モルテッド・ミルクや
ドランケンハーテッド・マンに改作され吹き込まれまし­た。

典型的なドロップDチューニングでのプレイです。
78回転再生で聴くと、キーはDの半音上Ebです。
ドロップDチューニングにして、わざわざ1フレットにカポをしたんでしょうか­?



ロニーのスタイルの特徴の一つに、多用される華麗なチョーキングがあります。
1927年です。ライト・ゲージなど存在しません。

わざわざ弦のテンションを上げる必要性を全く感じません。

我々はロニーがこの曲を通常のドロップDで弾いたと判断し、約半音の修正をほどこしました。

すると、ギターが実に自然な音になり、歌声はより味わい深くなりました。

推測ですが、ロバートがロニー本人の演奏を実際には見たことが無かったのかもしれません。

おそらくレコードで聴いて覚えたことで­しょう。

しかもハヤマワシのロニーのレコードを聴いて・・・【山本】

.............................................................................................................................................................

ドロップDに 1カポは無いと思います。
その必要がありません、逆にローチューンのドロップチューニングの可能性の方が高いと思います。

ロバート・ジョンソンがハヤマワシで再生したこの曲を耳にしたとしても、
彼は黒人独特のリズム、自分の持っている音楽感で消化し自分の音として素晴らしい表現を加えました。

ギターはもちろん 歌の表現力は正に息を呑む繊細な表現をしています。 修正を施したロニーは、
まるでロバート・ジョンソンにも迫る表現力を取り戻しております【菊地】





Lonnie Johnson  New Falling Rain Blues

 
1938年3月、ロニー・ジョンソンはニューヨークでデッカに録音しました。
このNew Falling Rain Bluesは、1925年、1929年に続く、
3回目の録音となりますが、前々回、前回のフィドルでの録音と違い、ギターでの録­音となりました。


実際この時期にはロニーはフィドルもピアノもほとんど弾かなくなり、
さらに、あの超絶的なギター・ソロさえも封印してしまいます­。
キーは1925年と同じDでの演奏です。

お得意のドロップDチューニングでの演奏です。

さあ、このギターを弾きながら歌うロニー、
1925年にフィドルを弾きながら歌うロニーと同一人物なんでしょうか?【山本】




奇跡的な出来事が起こります



Lonnie Johnsonの復活劇 1937~8年 アメリカ・デッカ社のメタルマザーが研究所へ!!
16曲中現存する15枚の金属板を入手!

メタルマザーを正しく78rpm再生させた音源を徹底検証!

多角的検証から スタジオの録音回転数を割り出す事に成功! 

LONNIE JOHNSON   TRUE REVOLUTION - CD 完成

遂に 本物が姿を見せたのです! すごいです。 本当にすごい表現力です。

ロニーは やっぱり凄かった・・・・・・   

メタル・マザーとの出会い 2011-09-08



 


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