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お問合わせ
labo@pan-records.com
Pan Records

戦前ブルース音源研究所

Pre War Blues Laboratories

1927年 8月17日  インディアナ州 リッチモンド ジェネットスタジオ 
     
       「HASTINGS STREET」  Paramount_15457
これまで 公開されていない情報をお伝えしたいと思います。
 



研究所が入手しましたジェネット・スタジオの元帳 ブラインド・ブレイクのセッション日(1929年8月17日)分の資料より
新しく私達が知り得た情報に加えて、この曲に関する検証情報をお伝え致します。

この曲は、録音した時には タイトルが違っていた事が判りました。 元帳には「HASTINGS ST BOOGY」 と記載されてます。

ブギーですよ ブギー。

そして この録音は予定に無かったのかも知れません。
スパンドとブレイクのセッションは、現地のレコーディング・ディレクターの判断だったのかも知れません。
何故かというと ” DESCRIPTION ” の所に ” NOVELTY " と記載が残っているからです。

ここは ”VOCAL" とか "Acc Guitar" なんて書いてあるのですが、ノベルティ をどの様に理解したら良いのでしょうか?

斬新な試み・・  予定に無かった 良いセッションが録れたと言う事でしょうか?

スパンドはこのセッションの前に 4曲 レコード2枚分の録音をしていました。
続く ミュージシャン ブレイクとのセッションは 確かに初めてのセッションであったかも知れません。
ピアノとギターのセッションが、目新しい 商材とも思えないのですが・・・


これは 予定に無かった ブレイクとスパンドのセッションを収録した事に対してのノベルティであろうか?
2人のセッション 続く 録音は プレスされなかったであろう ”POP IT STOMP" です。

これも ノベルティ です。

もしかしたら この2曲はオマケなのかな?

そんな2曲の内の1曲 ”HASTINGS STREET " は、同じスタジオで2ヶ月前に Alex Robinson (ピアノ)と行った録音
 ”FIGHTIN' THE JUG” とのカップリングとして Paramount 12863で発売されました。

この2ヶ月前というのは 1929年6月20日 ジェネットスタジオ で録音されたのですが
マトリックス番号 15248A Poker Womanから 15252A Slippery Ragまでの5曲です。

PARAMOUNT 12810 として 15248A Poker WomanBlues 15249A Doing A Stretch がカップリングされリリース
PARAMOUNT 12794 として 15251A Hookworm Blues  15252A Slippery Rag がカップリングされリリース

15250 Fightin' Jug だけ カップリング曲が なかったんですね。



そして 2ヶ月後に向かったリッチモンド(ジェネット・スタジオ)で録音された ”HASTINGS STREET” は、ノベルティとしてパラマウントに送られ
2ヶ月前に録音された アレックスとのピアノセッションとカップリングされ 世に出たというわけでした。

それが!です この曲は パラマウントが倒産した後 1941年に チャーリー・スパンドの名演として評価されスパンドの
Honky Tonk Train Blues (20246-2)” 
とカップリングされて ”Signatuer” から再発されました。



さらに ”Signatuer” と全く同じカップリングで 今度は ”COLUMBIA" から 1947年にもリリースされます。

            

この曲は各社から 同じ 78rpm盤 として リリースされたのですが、私達が知らされていた情報はとても少ないものでした。

ブレイク検証の執着は、遂に8月17日の録音記録の台帳 ジェネットの元帳に辿りつきました。


Hastings St は、Hastings St Boogyとしてクレジットされ 続く録音  "POP IT STOMP" 共に NOVELTY と記載があった事をお伝えします。



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その後 EP・LP時代に突入するわけですが当然 ブレイクとスパンドの名演として引き継がれるのです。
 
LPを作る時に、どのSP盤をソースとしたか?

1929年 Paramount盤、   1941年 Signatuer盤、   1947年 Columbia盤、

この3枚の同曲は 同じ情報が入っているのでしょうか? 
当然パラマウントのスタンパーやメタルマザーは失われた後の事・・・

1941年はギリギリ スクラップ寸前かも知れませんが まずメタルマザー起こしは無いでしょう。
そこで この3枚のレコード 再生時間・回転数、TP等を比較検証しました。

結果は、全て再生速度が異なる結果となりました。 





  →    →   の順に 遅くなります。

その差は 極僅かです。 しかし、パラマウント盤とコロンビア盤では 0.44rpm分 音程では約10cです。

僅かです、僅か  約0.5回転  

T(溝)は 一本づつ異なります。当然TPも全て異なりました。これは同じ盤からのプレスではなく、改めてカッティング
した事を証明する結果になりました。

おそらく、デュアルターンテーブルで複製したのだと想像します。
その際に回転速度は異なる結果になりコロンビアは、シグネチャーをさらにコピーしたのではないでしょうか? 



ここで言える事は、その後LP時代のソースはパラマウンド盤ではない可能性があると言う事です。
何故かというと 時間が経つにつれて再生回数に比例し レコードは痛んでしまうし、現存率も下がって来ます。

1940年の複製盤は状態の良いパラマウント盤の複製であり、プレス枚数も多かった為70年代にも現存率が高く
音圧や高音カットなどの処理も済んでおり、アルバム(LP)製作の為のソースには好都合です。

そして、そのLPの音源を CDメーカーが使い回し、さらにノイズカットなどのデジタル処理を施すわけです。

元の音は、もはや 
”わからない” 状態になってしまいます。

このジェネット録音は、まだ謎が多いです。

ブレイクの1929年 8月17日のセッションのすぐ後には” TEST SPECIAL RECODING MACHINE ” による録音が行われてます。


ピアノの音量に負けない ギターの音量を確保し、互いに演奏を感じ合いながらの 最高なグルーブ感! 
アンプリファイドしたスタジオ録音です、エレキバンドと同じですね。

そして 大胆な仮説を言いますと この曲には Half Step Magic がかかっていると思います。
これは私(菊地 明)個人の見解で研究所としての確定的な判断ではありませんけど、ジェネットスタジオには

半音ローチューニング "  の半音マジック用のピアノが用意されていたと想像しています。


ある有名なリサーチャーが私にこう尋ねました。
 

”Why do you think the speed on the record is wrong?”

 

聴いて感じる としか言いようがない。。。。。   信じられない事だが半音マジックは必ず存在するし78rpm以外の録音が多い

40年代 78rpm 統一の流れがあったし、50年代、60年代の先人達も感じていた事実がある。

40年代 各メーカーは半音マジックに溺れたかも知れない・・・キーからずれる事がないからだ・・・・

 

でも 違うかも知れない… 78rpmで良いかも知れない…  それぞれが感じればいい…  真実の為にこの検証は続きます。    

 

ジワジワと真実が近付いて来ている現実に ドキドキする・・・・  この曲は73.5rpmで再生したら 素晴らしい。【菊地】



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