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Pan Records

戦前ブルース音源研究所

Pre War Blues Laboratories

消えちまったボブ (消えたロバート・ジョンソン)

  戦前ブルース音源研究所 菊地 明

第一章 写真の検証     ★ フィクションを交えて検証を進めます

 

大好きなロバート・ジョンソンが私の前から消えた、初めそれは音からだった。 

そのブルースはまるでロックのようなビート感があって、やっぱりロバート・ジョンソンはかっこいいなぁと思った

が、しかし 同じように演奏してみようとギターを手にすればキーが高いし、

スライドのビブラートも早い、声も甲高い。

                     

違うぞ こりゃ ハヤマワシ だな、そう思ってあまり聴かなくなったのだが、

その主張にすら共感してくれる人も身近にはおらず、そのままとなっていた。

 

随分時が過ぎて自分がブラインド・ブレイクのトリビュートアルバムに挑戦した辺りから、

やっぱり戦前の録音はハヤマワシだ。その主張に共感してくれる仲間が増えた。

 

ロバート・ジョンソンのCDは一体何回転で再生しているのかという質問を発売元にしたこともあった。 

答えは「78回転で再生した音」だと返ってきた。 

 

しかし、LPレコードやCDは後に78rpm再生ではなく、デタラメ再生であることが確実となった。

 

私の検証結果から、録音自体が78rpmではない可能性も濃厚となり

ある程度答えが出るまでは安心して聴けない、いや 感じたくないと思った。

 

そう だから ロバート・ジョンソンの歌声は ある日 私の前から消えてなくなった。

 

 

 

1980年代後期 突如公開されたロバート・ジョンソンの写真、第一印象は、げ! 指 長(なが!!) だった。

まさか そんなインチキがあるなんて思いもしないし、疑う理由もなかったのだが何となく

 普通ではない異様な印象はその写真から漂っていた。

 

プロローグというべききっかけは、もう少し前にあった。

映画 クロスロードだ。

 


日本では少し遅れて公開されたが ライ・クーダーがサントラを担当し映画の中でのギターバトルは

ブルースやロックファンにとっても十二分な内容だった。

 

映画の中でロバート・ジョンソンの肖像は現れる事もなく それ以前にリリースされていたLPのジャケットの

イラストをモチーフに俳優による実写でイントロが始まる。

ネックの上を走らせるスライドがリアルで脳裏に焼きつく。

 

益々 本物のロバート・ジョンソンを知りたくなるのだ。

 

この前に一度ロバート・ジョンソンの写真ということで公開された写真があるらしいが

あまりにかっこ悪いおっさんなので ふ~ん 程度だったとブルース評論家は文章にしている。


そして 遂にロバート・ジョンソンの写真が公開されたのだ。


1980
年代・・・

*ここからは、フィクションとノンフィクションをシンクロさせながら

戦前ブルース音源研究所による写真検証を進めていきますのでどうぞお楽しみ下さい。

 

 

 

 

 


S: ロバート・ジョンソンのコンプリートアルバムを作ることになったのだけどね、

全世界相手に販売する予定で大きなビジネスになる。

曲はこれまで発表している音源の他に未発表曲も収録し、

最新のデジタルリマスターでノイズをカットした良質の音でやりたい!

 

P: ジャケットは どうすんだ? 写真はないのか?


S: そうだよなぁ これまでの絵のジャケットではなく写真で行きたいな。


P: 写真ってあるんだよね? 誰が持ってるんだ?


S: あぁ ブルース研究家のR.Mが持ってる、それとS.Lが持っているらしい。

以前から権利を主張している奴だ。結構面倒くさい。

 

P: 手に入るか? いい条件出して手に入れてこいよ。

 

S: S.Lを落とせた だけどギター持ってないんだ、どうしよう…..


P
: この真ん中の男、これがロバート・ジョンソンか? ち!イケてねぇな・・・・もう少し 他にないのかよ!


Sもちろん色々探してはいますが、ギターを持った黒人の写真ならあるのだけど、

ロバート・ジョンソンの写真なんて見つかるはずもないです。

 

P : なるほど そう簡単にはいかないか、とにかく黒人がギター持っている古い写真でもいいから探してこいよ。

 

S : ダラスの写真群から1930年代当時の写真を見つけたぞ!ギター持ってる!

ロバート・ジョンソンじゃないがすげぇインパクトある!

 どう? 古いアルバム写真をカメラで写してきた。実物は小さくて切手ほどの大きさだった。

 

P:お~これは すごい迫力だな こういう感じで発表したいよな。早速グラフィックデザイナーへ回せ。

 

mavin neuson   fig_1

 

            

  写真は1930年代 テキサス州ダラスの古い写真群の中にあった。名前は “Marvin Neuson


G
: この肩組んでる真ん中の男をこんなイメージで仕上げたらいいんですね?


S: あぁ 伝説のギターリストなんだ 指の魔術師だ。


G: ギターはどうしますか?


S
: 同じように持たせられるか? 


G
: 出来ますよ。


S
: 言い伝えではカラマズーというメーカーのギターを使っていたらしい。


G: 了解しました。カラマズーですね!

 

 

 

 

さて ヴィンテージギターのコレクターでもないG氏がどんな写真を仕上げてくるのか、

前代未聞の大勝負が始まったのです。


G: 仕上がりました! 力作ですよ。 初めにもらった この男でいいんですよね?
ギターも同じように持たせたし タバコも咥えさせました。
フォトアルバムに貼ってあったイメージで全体を少し斜めにして雰囲気を出してます。


S
: お~いいね! 指長ぇな・・・  でもインパクトはあるな。 

G:同じように黒い淵やキズも加えていますし手首の辺りはボカシを入れてあります。
全体にノイズを加えて仕上げています。 指の部分は苦労しましたよ。
素人にゃ絶対分かりません このソフトはうん百万もする最先端ソフトですよ!(1980s )

 

 

S:すごいなぁ、ちょっと待った。このカポはおかしいぞ、あの時代にそのカポは無いはずだ。直せるか?

 

G:了解しました、上から白で被せちゃいます。 

 

 

 

1980年代中期 咥え煙草の写真は衝撃的な公開となりました。
世界中のブルースファンが待ち望んだロバート・ジョンソンの写真は、

指が異様に長い不気味さと悪魔に魂を売った男としての存在感をもったインパクト100%の仕上がりでした。

 やり取りの内容はフィクションなので真相は実はもっとヤバイのだろう。

(ロバート・ジョンソンをボブと記載する部分があります)

 

fig_2は 最初にローリング・ストーンズ誌等にも提供し掲載された写真  fig_3は ポストカードとして販売された写真

                                         bob earlyfig_2     bob post cardfig_3

                 

        
実は
この写真のオリジナルを見たことのある人間は世界中におりません

印刷されたコピーだけが世界中を駆け巡ったのだ、

現在でもネット上にはこの加工された写真だけが出回っております。

唯一の噂としては 実物は小さく切手ほどの大きさであるということくらいだろう。

 

 

 


ところで当時、彼らの本丸、同時進行で進んでいたプロジェクトはもちろんコンプリートアルバムの制作である。

楽曲はデタラメを尽くした音源集だった。

 

これはすでに我々戦前ブルース音源研究所が大暴露をしているので

会員の皆さんにはもう承知の通りでしょう。

 

 

簡単に説明すると、曲中のノイズをカットしたために実際の演奏の間隔が

短くなってしまった部分(曲)もあるし

逆に無音部分を足した場所もある、回転と音程を同期させずに編集された曲、

ありもしないイントロを造って挿入した事実もあった。

 

音源ソースもコレクターが適当な回転速度で再生しダビングしたテープ音源などを使用したため、

再生回転数は不明、78rpm再生と信じている皆さんには申し訳ないがデタラメ再生と言っておく。

 

その前に、そもそも録音速度が分からない為本当の演奏を再現することが出来ないだろう。

 

こんなことを言うとメーカーに叱られるだろうが怒られついでに、

適当に再生した ハヤマワシ音源集 とも言っておく。

 

 

根拠は実際にロバート・ジョンソンのSP盤や78rpm再生したSP盤再生音源を入手し、

再生速度と音程を比較検証した結果からだ。音源の話は別で伝えたい。

 

1986年ローリング・ストーン誌に小さく紹介された咥え煙草写真の発表はセンセーショナルで反響は大きかった。

当然、指が異様で不気味だという声も関係者の中でも多く聞かれたはず、

写真の細工はトップシークレットなのだからごく数人以外全く知らないことであったであろう、

要するに世界中のブルースファンが知らないということです。

 

一方的に情報を与えられる事に慣れてしまっている読者やリスナーにとって

当時はその違和感を発言するフォーラムなども無く、なんとなく受け入れた。

もちろん まんまと騙された人がほとんどだった。

まさかフェイクだとは思いもよらないファンたちは、誰にも真似出来ないあの演奏は

人並み外れたこの長い指があってのものなのだろうと都合良く解釈したのだ。

 

30年前というとロバート・ジョンソンの演奏をそっくり演奏出来る人物など表舞台にはおらず、

それは現在でもさほど変わらない。

しかし戦前ブルースファンの中には、演奏法や当時の楽器について異常なまでの好奇心を持ち

研究をするオタクな連中もいる。

 

そうこの記事を読まれているあなたと私達の事だ()

 

演奏者としての判断は徐々にその真相に迫ってゆく、

私に聴こえる非現実な誤魔化しきれない音(音楽)の正体をリアルな姿に戻してゆく、

今ここで違和感を間違いとして表面化しておく事にする、そう愛してやまないボブの写真までも。

 

うまくいった と思った矢先 ところが・・・S.L氏からクレーム・・・

 

 

 

S.L:なんだ あの写真は? やってくれたな 口止め料払えよ、

 おたくらはレコード(CD)売れたらいいんだろ、写真の権利はすべて私にある。

 使用料の契約をしよう、そしたらビッグヒット間違いなしだ。 

ギターを持った写真が欲しいのか? 実はもう一枚持ってるんだよ。。。

S
:仕方ないな。

 

P:今回は奴の言うとおりにしよう、それと今度のコンプリートアルバムの

ジャケットにはあの指の長いのはイマイチだな。 

もう少し高級感のある紳士なイメージでやってみてくれよ。 

S.Lからもう一枚の写真を借りてこい。


D
: スーツを着た写真はどうだろうか? 
ギターもカラマズーよりギブソンを持たせましょう。これならギターファンも喜びます。


そして  試行錯誤して完成した写真がこちら! 顔だけピンボケの首なしジョンソン()


    
 complete album     

P
: これで行こう! 今度は間違いないだろうな 変なところはないよな。


S:はい、不自然なところはなく自然に見えます。


P
:写真の出所はどうする? 


S:一応メンフィスに当時あったフックスタジオで撮影したものという設定です。

フォトデザイナーには前のよりも慎重に指示しましたのでバッチリです!


P
:ホントだろうな 大丈夫か?


S:はい、コードのフォームや親指にサムピックも付けてますし、ギブソンの古いギターを持たせてます。

顔の部分ですが帽子も斜めに被せてみました。


P
:良し!パーフェクト! これで行こう。 あ それと印刷はアジアでやれよ、オフィスも架空でいけ。

 

SL:これはすごい仕上がりじゃないか、写真の権利は全て私にある、ポスターやポストカード、Tシャツ

それから もちろんLPCDのジャケットで使用する使用料は契約通りに頼むぞ

 

 

Pコンプリートアルバムにはこれまで以上にリサーチした情報を載せるけども、前回の写真は一応カットだな。


S:しかし、コンプリートですから掲載しないと余計怪しくなっちゃいますよ。


P
: 仕方ない じゃ指の部分はトリミングしてカットしろ! 顔だけでいい。

そうそう それから疑わしいが死亡証明書も掲載するしそれらしくなるぞ。
           
        この通り一番の魅力とされる指はカットして掲載となったのです。

complete album cut finger

 

このような一見取りとめもないところにも真相を感じるヒントがあったりする。

勘や直観というのは大事で意識として根拠もなく感じられる真相かもしれない。

 

皮肉なもので、こんなところに偽りの痕跡を残すことになってしまったのだ。

紙面の尺の関係とかいう言い訳などはこうなるとうっとうしいだけだ

 

コンプリート・アルバムはこれまで掲載されていなかった情報も豊富に詰め込んだ

正に ロバート・ジョンソンのすべて を網羅したアルバムとして発表された。

 

 

しかし、先に発表した写真 現在でも最もロバート・ジョンソンたる長い指は見事にカットされ掲載、

初めて発表されたボブの死亡証明書が白黒反転であったことにも違和感を覚えた人は少なくなかろう。

 

 死亡証明書はもともと信憑性に若干の疑惑がある代物だ。

偽装とまでは公言しきれないがバレてしまわないかという不安がストレートに公開しない

という行為を選択させたように思えます、何か真実を隠している。

 

これについては、海外のリサーチャーが異議を唱えてホームページで疑問を投げかけている。

というより完全な暴露記事として発表されています。

そう 死亡証明書もフェイクだ。

 

イギリスの有名なロックギターリストはロバート・ジョンソンの死亡証明書のオリジナルを

内緒で手に入れたと聞いたが偽物掴まされたか。

 

色々 何だかおかしくないか・・・ 私にとっては音の方が大事ではあるが、

とりあえず写真で儲けたやつが本当にオリジナルを提供していたのか、

単に提供するために修正したのか、はたまた完全な造りものだったのか

 ハッキリさせたい気持ちは隠せない。

 

そして、このプロジェクトに関わった人物達のその後30年の行動、

活動などを注意深く観察してみると何だか不穏な印象もぬぐえないのだった。

 

 

SL: それからロバート・ジョンソンの写真はMも持っているらしいがそれは間違いだ。

面倒が起らないように処理しとけよ。あくまでこっちが本物で通せよ。

こっちでも一応話は付けてあるがぬかりなくやれよな。

 

 

S: 分かった。しっかりやっておく

 

この辺の話はフィクションとしてもかなり ヤバイ ので この章では このくらいにしておきたい。

 

 

 


では、写真のどこがおかしいのか検証していきましょう。

 

消えちまったボブ 第1章_2   2017_12_10公開予定

 

 

 

 


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