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Pan Records

戦前ブルース音源研究所

Pre War Blues Laboratories


【Harmony】

Sears & Roebuck(カタログ通信販売)に掲載のギターの多くを生産納品していたのが
このハーモニーという会社です。

シアーズで販売していた楽器は当初はシアーズラベルで販売されておりました。

この時点では複数社のメーカーが納品していたと想像しています。
 
安いモデルはハーモニー、そして高級モデルはステラ(Oscar Schmidt)が納品していたと言われておりました。

1914年以降シアーズは”スーパートーン”というブランドで商品を展開して行きます。
上記カタログ資料は当Pan Records所有の1923年のカタログからの抜粋です。

このカタログに掲載されているギターのどれとどれがOS製で、どれがハーモニーなのでしょうか?
ポジションマークの位置は両社とも5-7-10-12と付ける傾向がありますからそれでは判断出来ません、
そのためある程度の高級品をOS(ステラ)、それ以外をハーモニーという判断をすることもあったようです。

しかし、ハーモニーは高級なモデルも作っていたと私は思います。

そして検証を進めて行くうちにシアーズにKayが納品していたと思う様になりました。
ここは第一線のヴィンテージ・ギター研究者達とも合意するところです。

エボニーのフレットボード(指版)を多く使用しフレットボードやヘッドにも貝のインレイを施し、
ボディのパーフリングにも見事なアバロン貝の装飾を施したモデルも多くありました。

また廉価モデルには見事な寄木細工パーフリングとセルロイドバインディングを
合わせた装飾を採用している事も多いです。
更に驚くことはマホガニーボディペイントです、一見マホガニーか?と思えるような木目のペイントを
安いバーチ材に施してあるモデルもありました。


(上記カタログ下段右側2モデルがそれです)

ハーモニーには金属製のアジャスト式ブリッジ(fig-1)というものがありました。
上記カタログの上段中央のモデルに搭載していると思われます。

台形ブリッジはハーモニーブリッジ(fig-2)と呼んでいます。

このブリッジがついているギターはハーモニー製であると判断されておりますが、すべてではありません。

(fig-1) (fig-2)
ピラミッドブリッジに対して 手抜きとも思える単に両端を四角にしたブリッジが
ハーモニーブリッジと呼ばれますが、この形は他社でも採用されている事実があります。

しかも四角の部分にインレイを施したモノもあります。
LarsonのセカンドブランドであったMaurerは アジャストブリッジのパテントを持っておりましたし
ブリッジサイドが四角というのは正にLarsonのブリッジを思い出さずにはいられません。

これらの特徴がハーモニー独自のモノという事は言えないと思いますが傾向として多いです。
 各社はもともとは、ラーソンやリオンなどの生産に携わったかもしくは模倣した経験から、
スタンダードサイズ・コンサートサイズなどのボディの大きさやスケールを真似て生産を始めたと思います。 

それが徐々に自社の特徴・傾向が見られて行くことになったと考えます。
ハーモニーのオリジナルとも呼んでいいのが”リンドバーグ”ブリッジでしょう。 

(fig-3)  

fig-3のリンドバーグモデルの装飾をご覧下さい
見事なマザーオブパールを使用したパーフリング、ロゼッタ、インレイです。

この仕上げを見るとどこかで見た事があるなぁと感じる仕上げのギターもあるはずです。
リーガルとは一味違う印象のギターを生産しているのもハーモニーです。


ハーモニーはネックのフレットボードに安いモデルでもエボニーを多く採用しております。 
それに比べてOS(ステラ)は見事にチープなモデルが多い。

この辺りの感覚の差はあると思います。

ハーモニーのパーラーギターの特徴にはいくつかあります、スケールは他社が採用していない24インチが多いです。

それと特徴的なヘッドの先端 ウェイブヘッドデザインです。
このウェイブヘッドデザインのカットはブランド名、楽器メーカー名が違ってもハーモニーが生産していたと判断してよいです。

     
一見すると全く異なるメーカーなのですがこのように自社の特徴をウェイブヘッド切削に残しております。
この主張はResophonic GuitarメーカーNationalのウッドボディにも見られます。

1934年 National Trojan のヘッドもクローズアップすれば(fig-4) それがハーモニーが製作していたことがわかります。

(fig-4) (fig-5)

また、(fig-5)の様にある程度装飾を施してあるモデルのヘッドには、
別の木材(ブラジリアン・ローズ)などを張り合わせた仕上げを多く採用しております。

ハーモニーのボディの特徴としては、OS(ステラ)とは逆に、
Upper Boutが狭く9インチを多く採用しております。

ボディの大きさによりスケールは異なるのは当然ではありますが、いわゆるコンサートサイズ、スタンダードサイズと
いう大きさに相当するモデルの多くは24インチというショートスケールです。

 しかし ブリッジの接着位置の誤差やテールピースブリッジモデルの計測により正確なサイズは現れません。

メーカーを超えた共通を工場の共通と考えて計測はしていなかったのかもしれません。

私が検証を始めた頃にはボディのサイズや大体のスケールを表記する事が多く㍉単位の計測は
ギタービルダー以外のコレクターには不必要な情報であったようです。

始めにご紹介したシアーズのカタログに掲載されているモデルは同じボディのサイズでも
実は僅かにスケールが異なっております、しかしテールピースの場合スケールは計測できません。 

そこで12フレットまでの長さを計測するようにしました。

するとどうでしょう?さすがにフレットのピッチには誤差は少ないです、
同じ工場の得意とする傾向が現れてきました。 それが フレットピッチ理論です。


Oscar Schmidt 2010-12-09
Stomberg Voisinet-Kay Kraft
Regal 2010-12-09
BACON 2010-12-09
Harmony 2010-12-09


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