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お問合わせ
labo@pan-records.com
Pan Records

戦前ブルース音源研究所

Pre War Blues Laboratories


【フレットピッチ理論】

ギターのサイズを知ろうとすれば、資料として残っている数値だけではなく現存する
ギター自体を実測するのが確実である。


何故このように思うかと言うと 例えばLarson Brothers などの当時の資料を見ると、
サイズはインチ表記であるのですが1/4,1/8インチという分数で
書かれていても実測数値とは若干の誤差がある。

 1/8= 3.17㍉ この分数以下の誤差は資料にはありません。

他のメーカーを測定するとボディの大きさなどは18インチ= 457.2㍉というサイズが多いのですが 
2~3ミリ程度の誤差は当たり前にあるのが常です。


Lyon & Hearly と Larson Brothers は、とても近しいブランドです、
そのセカンドブランドも多く在りましたが生産キャパシティを確保するには
他社に生産を委託させる必要がありました。 

Parlor Guitarと呼ばれるサイズに絞って検証をしてきましたが、ご存じの通りギターにはスタンダードサイズ、コンサートサイズ、
グランドコンサートサイズなど大きさには種類があります。

もちろんMartinにも、0,00,000などの種類がありました。


検証をする上で、ある程度の絞込みの基準を設けました。
 各メーカーは多種多様なサイズ・形・色/デザイン・を生産している為に商品に統一性が
無いように思えるしそのために細かいギターのサイズを計測して来ませんでした。

 
例えば全長が37インチでボディの大きさも同じ18インチ。 


一見同じサイズのギターに見えますが計測するとネックの長さとヘッド長が微妙に異なります。
スケールが僅かに違うのです。 

全く同じボディの大きさであるのに僅かにスケールを変える意味はどこにあるのでしょうか?


ではブランド名が同じでボディの大きさも同じ、どちらもテールピースブリッジを採用しており、
僅かにスケールが異なる。

何の為に??     

 仕上げはモデルが違うために装飾が異なる・・・ 

これは、ある条件の中で装飾(仕上げ)を変えて商品の差別化をするために異なる工場へ
OEMを出した結果ではないでしょうか?


委託された工場は、テールピース式であれば 逆にボディが若干異なる大きさの注文でも
同じ基準のネックを使用することが出来ます。

計測をしてみる事にしました。

固定式(接着)ブリッジであっても、ギターにより個体差があり1ミリ 2ミリとずれているモノもあるし、
ひどいと縦(弦長)でなく横にずれている時もある。


テールピースブリッジでは、ブリッジ位置が可変するために正しいスケールの計測が出来ません。

このために、PanRecordsではナットから12フレットまでの長さを測定する事にしました。

この長さをフレットピッチと呼びます。


フレットピッチは、ブリッジの接着不備の様に製作の度に異なる事はなく、
ある程度の確度の基準で製作されている事が実測出来ました。




この実測を繰り返していく内に、その他の部位の特徴も加味するとフレットピッチには
工場と数値に比例する傾向がありました。


この統計的なフレットピッチの傾向から、OEM先の工場を確率統計的に識別出来ないかというのが 

フレットピッチ理論です。



もちろん MartinやGibsonといった一流メーカーには不要な理論と測定です、これはアメリカの楽器市場の大半を占めていた
安物メーカーに有効な理論です。

(要はフレットの基準以外はデタラメが多いのです)





同じボディの形状で同じメーカーが製作しているのであれば工場の流れ作業でネックの
フレットピッチを変えることは間違いの元ですし、そもそも変える必要がないとも考えます。

ここにほぼ同じボディの大きさの "Sovereign" というブランドの2本のギターがあります。


しかし仕上げが大きく異なります一方はトップスプルースにサイドバックが
ハカランダー材を使用しアバロンのパーフリングやルーフィング仕上げ
一方はオールバーチ材に黒くペイントで着色してあります。

両方ともテールピースブリッジの為にスケール(ナット-ブリッジ)を正確に測定ができないが、
フレットピッチ理論で(ナット-12f)計測すると誤差を確認出来スケールが微妙に異なることが分ります。


 これは同じブランドでありながらOEM先を複数社に依頼していたのではないか?


複数メーカーに依頼された工場にとってはテールピースタイプのギターであれば
ボディのサイズ、全長、色、柄、などの注文はあるが従来多く生産している
ネック(フレットピッチ)をどちらにも使うことが出来る。


 フレットピッチを㍉単位で計測していると見えてくるメーカーの癖(基準)があり、
それはフレットピッチを計測することと、それぞれの特徴を合わせて考慮することで製作した工場を判断出来るかもしれない。

このようなケースの場合、内部構造や仕上げにもその他の検証で見えて来た各社の傾向と合致する場合もあります、
そこで工場が異なることが確認できます。


逆にブランドは全く違うのであるが、ギターの特徴が全く同じという場合もあります。

この場合は一つの工場が複数の取引先へラベルだけ変えて納品していたことがわかります。
これもフレットピッチの測定が決定的な証拠にもなると考えてます。



 
【ネックを測らせてくれ】




ナットから12フレットまでの長さはどのくらいか? 


ひたすらオークションの出品者に計測をさせる毎日を数年間行いました。
それも私が算出したブラインド・ブレイクのギターのサイズの確め算の為であるので、
当然サイズの焦点は絞られますしルックスも絞られて行きます。ステラ(OS)の特徴は多くあり過ぎて基準が判らない。



それは一つの妄想、ステラ神話なるモノが明らかに存在していました。
戦前ブルースマンの多くがステラを使っていたしシアーズ&ロバックなどで販売されていた高級仕様の
ギターもステラ(OS)だと信じたく収集して特徴を調べると統一性がなく、「あれもこれも特徴としてある」と。


 これでは特徴ではない。特に安物ブランドであったここに取り上げた4社のギターなどの 
ジオメトリーを計測したデーターはほとんど公開されておりませんでした。

ボディのサイズの詳細もインチの分数でかなり大雑把に計測していることが多かったです。 

もっとも作る側もボディのサイズが若干違っていても気にしなかったとも思います。

当時のギターの価格を比べてみると一流メーカーの10分の1程度の価格で販売されていたのですから。
それでもいくらデタラメとは言えフレットピッチの計測はギターの特徴を記す上で最重要項目だと思います、
ここが作る度に誤差があって良いのであれば楽器として成り立ちません。各メーカーの特徴と
合わせて検証することで一つの指標となる事実を確認しました。 


フレットピッチ理論です。

以下参考資料 First Hawaiian Supertone





100年の時を経て 再びメーカーとしてLarson Brosが立ち上がりました。 


当時のLarsonは多くのブランドを棲み分けとして所有してOEMも複数社に及びました。
新たに復刻を遂げた新生Larson Bros には、3機種 8モデルのギターが用意されました。

14フレットジョイント・モデルも12フレットジョイント・モデルも驚く事にすべてのギターのスケールは
25.6インチに統一されております。

当時のLarsonのブランドでは、18インチボディの多くは25インチスケール、
20インチボディには25 1/2インチスケールを多く採用しさらに多くの
スケールや形もありました。



しかし、現在のビルダーの意気込みを持ってしても微妙に異なるスケールを
作り分ける手間も意味も必要としておりません。

もっとも 明らかに異なるボディのサイズであれば当然スケールは異なるでしょう、
しかし 実際にボディの形状が異なるギターでも同じスケールを採用するのですから、
同じボディサイズでスケールを変える意味は

現在のギタービルダーの認識でも 無い ということの証明でしょう。



 
* ブラインド・ブレイクの写真のギターは残念ながらステラ(OS)ではありませんでした(可能性はあります)

ギターを判断するには 上記の様に当時の資料の数値と実測の誤差を確認したり、
写真で判断するのであれば全く同じモデルの実測をする。
とにかく 写真のギターの多くの詳細データーは必須条件です。


未だにステラであると主張する出版物やサイトが存在しますが、
それらはそもそもブレイクのギターのサイズ・ジオメトリーの詳細が無く
どのように判断したのでしょうか?




写真のギターの詳細と実測データーの照らし合わせをせずに、
LPやCDジャケットや雑誌に掲載されている不鮮明なコピー写真を基準に
判断されているのだと思いますがそれはまさにステラ信仰が生んだ思い込みでしょう。


私は自ら計測し算出したブレイクのギターのサイズと100年前からの現存するギターの実測
(自ら実測と計測させ収集したデーターおよそ200~300本)を照らし合わせ、
さらに世界未公開のブラインド・ブレイクの鮮明写真からギタートップ板の
質感を感じ取り総合的な判断をしました(ポスターではありません) 

ブレイク・ギターのサイズ・ジオメトリーが不明、実際の現存ギターの実測無し、
不鮮明なコピー写真情報、これでどのようにブレイクのギターがステラだと断言出来ようか?
加えて楽器としての魅力・特徴である音の検証判断もされたのであろうか?


まさかノイズ除去を目的とした為に異常に高音のカットされた戦前ブルース音源特有のこもった音質を判断してやしないか?
そんな ”こもった” 音が出るギターなんてどこにも無かった。

作るしかない、私はCDから得たブレイクギターの印象を表現するために 
ウッドボディのギターの選択を却下し独特な音質加工の出来る金属性のブレイク・トリビュートギターを作ってもらうことにしました。
 確かに似た音質のギターであり特別な新しいギターサウンドでした。



しかし同時にそれはレコード(CD)からの音が木(ウッドボディ)が醸し出す自然な音でない事の証明にもなりました。
では ブレイク録音で使用したギターは 金属ボディのリゾフォニック・ギターなのか?(まったく安易な発想です・・・・・)

木(ウッドボディ)に間違いありません。

ここから先の話はギターの話ではなく録音についての話ですので別のコーナーで検証致しましょう。
肉声は ハヤマワシだと印象が大きく異なりますが 楽器の音はどうなんでしょう?


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